Apple情報に詳しいKGI SecuritiesのMing-Chi Kuo氏は次期「iPhone8」では物理的ホームボタンが廃止され、代わりに「ファンクションエリア」がディスプレイ下部に配されると最新のレポートで発表していました。
これに加え、同レポート内では搭載されるディスプレイの仕様についても明らかにされていました。
次期「iPhone 8」に搭載されるディスプレイのピクセル密度は「iPhone 7」を大きく上回る521ppiとなり、ファンクションエリアを除いたディスプレイ有効エリアの解像度は2,436×1,125ピクセルになるとのこと。
Android同様、紙面上のスペック重視か
現行4.7インチモデルの「iPhone7」と同程度のサイズになるといわれている次期「iPhone8」ですが、「iPhone7」に搭載されているディスプレイのピクセル密度は320ppi、画面解像度は1,134×750ピクセルとなっています。
これがピクセル密度521ppi、解像度2,436×1,125となるため、かなり解像度の高いデバイスになることが予想されます。
個人的には320ppiの現行モデルを使用していてディスプレイに不満を感じたことはありません。
とはいえ、Androidユーザーなど紙面上のスペックを重視する人にiPhoneを乗り換え対象として考えてもらうためにはこうしたスペック向上も有効なのかもしれません。
特に、スマートフォン業界で最もスペックの高いSamsungのGalaxyシリーズからの乗り換えユーザーを対象としているならば、こういったスペックは乗り換えを促進するかもしれません。
また、9To5Macはこれらの数値からさらに細かい仕様を予想し、ディスプレイは2倍ではなく3倍のRetinaスケーリングに設定する可能性が高いと述べています。
「iPhone7」は2倍のRetinaスケーリングとなっていて、画面は実質667×375ピクセルとして表示されています。
しかし、もし次期「iPhone8」の解像度で2倍スケーリングで表示した場合は1,218×562ピクセルの画面として表示されてしまうため、コンテンツが小さすぎて使い物にならなくなってしまいます。
これはMacBookなどPCをお使いの方はわかるかもしれませんが、従来のスケーリングのまま高い解像度に設定すると、表示されるコンテンツが小さくなってしまいます。
具体的には、例えば100×100ピクセルのアプリアイコンがあったとして、667×375ピクセルの画面で表示されるアプリアイコンに比べて、1,218×562ピクセルで表示されるアプリアイコンのサイズは極めて小さくなってしまうということです。
ただし、2倍スケーリングではなく3倍スケーリングにすると「iPhone8」の有効エリアの解像度は812×375ピクセル相当になります。
「iPhone7」の667×375ピクセルと照らし合わせると、横幅が同等になっていることがわかります。
つまり次期「iPhone8」は「iPhone7」と比較しても横幅は変化せず、さらにアプリ1列分の145ピクセル相当の縦長のディスプレイとなるようです。
ファンクションエリアはiPhone7のドックと同程度
持ちやすさなど日常での使用を考慮すると、画面が縦長になることは利便性が向上するでしょう。
PCの外付けディスプレイも縦向きに使う人が多いですが、縦長ディスプレイはブラウジングする際に一度に表示される情報が増えるため快適になります。
とはいえ、縦横比が16:9から21:9になってしまうため、YouTubeなどのアプリでサイズに非対応のコンテンツを見ようとすると左右に黒いバーが表示されてしまいます。
ファンクションエリアは「iPhone7」のドックと同程度のスペースになると予測されており、高さは290ピクセルほどになるとのこと。
ファンクションエリアの具体的な使用方法や機能はまだ明らかになっていませんが、おそらく新型Macbook Proの「Touch Bar」のようなアプリに応じて操作ボタンを切り替えることができるようになるでしょう。
失われた117ピクセルの行方は?
しかし、気になることも…。
Ming-Chi Kuo氏のレポート内容では5.8インチ型ディスプレイ全体の画面解像度と有効エリアである5.15インチの画面解像度の横幅が異なります。
5.8インチのディスプレイ全体の解像度は2,800×1,242となっていますが、有効エリアは2,436×1,125となっています。
この失われた117ピクセルの横幅はどこへいってしまったのでしょうか。
私個人の意見ですが、おそらく、ベゼルフリーでディスプレイが大きくなるとボディを持った際に手のひらがディスプレイ内に触れてしまいますが、その際の誤動作を防ぐために有効エリアはディスプレイ全体より小さくなっているのではないでしょうか。
ということは、左右のディスプレイ縁には触っても反応しないエリアが存在するかもしれません。
個人によって手の大きさはことなるので、ソフトウェアで制御できたら良いと思うのですが、どうなんでしょうね。
Source:9to5mac
(yori)