11月3日に発売された「iPhone X」に高速充電とワイヤレス充電が追加されたことで、様々方法でiPhoneを充電することが可能となりました。
それぞれの充電方法にはメリットとデメリットがあり、充電速度が早くても高価だったり、充電速度が遅くても安価だったりします。
そこで今回、海外メディアのMacRumorsが、Appleとサードパーティの充電アクセサリーを比較して、それぞれ充電速度がどのように違うかテストし、どの充電アクセサリーが優れているかを公開しました。
【充電速度比較】比較した充電アクセサリー
・ Apple 5W iPhone 電源アダプタ(2,200円)
・Choetech 5Wワイヤレス充電パッド(1,999円)
・Apple 7.5W Belkin Boost Up ワイヤレス充電パッド (6,980円)
・Apple 12W iPad 電源アダプタ (2,200円)
・Choetech 18W USB-C 電源アダプタ(2,000円)
・Apple 29W USB-C 電源アダプタ(5,200円)
・Anker 30W USB-C 電源アダプタ(2,999円)
・Apple 87W USB-C 電源アダプタ(8,800円)
なお、Appleの5Wと12Wの充電器アダプタは通常の Lightningケーブルを使用し、USB-Cの充電器アダプタではUSB-C用のLightningケーブルを使用してテストを行っています。通常の Lightningケーブルは1mで2,200円、USB-C用のLightningケーブルは1mで2,800円です。
【充電速度比較】テストの方法
充電速度を比較する際は、全て同じ「iPhone X」を使用しています。また、充電を開始して「iPhone X」の充電が1%になってから、15分、30分、45分、60分ごとにどれだけ充電されたかを計測します。
さらに、「iPhone X」を機内モードに設定し、アプリも作動させません。ディスプレイも、4回の計測時以外は閉じた状態にしておきます。なお、「iPhone X」にケースは付けていません。
【充電速度比較】テストの結果は?
上のグラフを見ると、「iPhone X」を一番早く充電する方法は、USB-C用のLightningケーブルを使って、USB-C電源アダプタで充電することだと分かります。USB-C電源アダプタで充電すると、「iPhone X」は30分ほどで50%まで充電されます。これはどのUSB-C電源アダプタを使ってもほとんど同じ結果となっています。
一方、Appleの5Wワイヤレス充電と5W Lightningケーブル充電を使って、通常の電源アダプタで充電する方法は、最も遅い充電速度だということも分かりました。7.5Wワイヤレス充電は5Wよりは速いですが、大差はありません。
また、12WのiPadアダプタは、一時間後には、USB-Cでの充電速度とあまり変わらない充電結果となりました。12WのiPadアダプタは日本円で2,200円ほどですから、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
USB-C充電アダプタ
今度は、USB-Cの電源アダプタだけで充電速度を比較してみます。比較対象となるのは、12インチのMacBookに付属する29Wの充電アダプタと、15インチのMacBook Proに付属する87Wの充電アダプタ。それに加えて、Choetech社の18W充電アダプタと、Anker社の30W充電アダプタです。
結果は、18WのUSB-C電源アダプタも、87WのUSB-C電源アダプタも充電速度にほとんど差がありませんでした。
30分後には45〜49%、60分後には77〜79%に達しています。最も遅いのはAnkerの30W充電アダプタですが、その差は僅かなものです。
この結果から、Apple純正ではなく、サードパーティのUSB-C電源アダプタでも十分な充電速度だということがわかりました。充電速度に差がないのなら、高価なAppleのUSB-C電源アダプタをわざわざ買う必要はないかもしれません。
Choetechの18W充電アダプタは、日本円にすると2,000円ほどで買えてしまいます。一方のAppleは、29Wで5,200円、87Wで8,800円です。
通常のiPadとiPhoneの充電アダプタ
通常の Lightningケーブルを用いて、5W充電アダプタで充電すると、他の充電方法と比較して非常に遅い充電速度となります。
例えば、30分の充電で「iPhone X」の充電量はやっと21%となり、60分後でもまだ39%です。
一方、iPadに付属する12Wの充電アダプタは、USB-Cの充電速度と遜色なく優秀です。こちらは30分の充電で「iPhone X」の充電量39%となり、60分後には72%となります。USB-C充電アダプタは、60分後に77〜79%ほど充電されるので最終的な充電量はほとんど変わらないでしょう。
5Wと12Wの充電アダプタはどちらも2,200円で発売されているので、新しく買うなら12Wの方が断然お得です。
ワイヤレス充電
基本的に、ワイヤレス充電は有線の充電と比べて、充電速度は遅いです。しかしワイヤレス充電は、画期的な方法なので魅力的ではあります。寝ている時の充電など、充電速度を気にする必要が無い場面では便利に利用できるでしょう。
テストによると、iOS 11.2で有効となった7.5Wのワイヤレス充電速度は、5Wの充電速度と比べると速いですが、大きな差はありません。
また、Choetechの5Wワイヤレス充電パッドの充電速度は、通常の5W充電アダプタと比べると遅いですが、その差はわずか1%ほどです。
また、Appleが発売するBelkinのワイヤレス充電パッドと比較しても、Choetechの5Wワイヤレス充電パッドの充電速度は遅いですが、同様に1%の差となっています。
確かに、Appleが発売する、Belkinの5Wと7.5Wのワイヤレス充電パッドは、充電速度は少し早いかもしれません。しかし、サードパーティの充電パッドを含めても、全体的に充電速度にほとんど差がないのであれば、より安価なワイヤレス充電パッドを買ったほうが良い気がします。
Choetechの5Wワイヤレス充電パッドはAmazonだと、1,999円で購入できます。
【結論】
「iPhone X」の充電速度を早めたいなら、18W以上の充電アダプタを買う必要はありません。また、サードパーティの充電アダプタが優秀なため、Apple純正のUSB-C充電アダプタを買う必要もありません。
充電速度を最大まで早くするの魅力的ですが、その分より多くの費用がかかってしまいます。今回のテスト結果から、最もコストパフォーマンスが良いのは、通常のLightningケーブルを使って、12W電源アダプタで充電する方法だと分かりました。
60分後の充電量はわずか5〜7の差です。そのため、高価なUSB-C用のLightningケーブルと、USB-C充電アダプタは必要ないかもしれません。また、5Wの充電アダプタは極めて充電速度が遅いので、これも改めて購入する必要はありません。
「iPhone X」から可能になったワイヤレス充電は、充電速度は優れていませんが、その利便性と、充電コードをいちいち抜く必要がないことを考えると、購入する価値はあるかもしれません。
結局のところ、それぞれの充電方法はメリットとデメリットがあるので、自分の予算を考慮して、自分にあった最適な充電方法を選択すると良いと思います。
[Source:MacRumors] (yorimorishima)