ここ最近話題になっていた、電池が劣化したiPhoneの性能が意図的に低下させられている問題に対して、先日Appleは正式にコメントを出しました。しかし、消費者の不満は収まらず米国では集団訴訟に発展したことを受け、Appleは謝罪のコメントを出し、今後の対応を発表しました。
今回の問題の経緯は?
12月上旬に、Appleは電池が劣化した古いiPhoneの性能を意図的に低下しているのではないかという疑惑が浮上しました。そして、ベンチマークアプリのGeekbenchを使ってJohn Poole氏がテストした結果、やはり使用期間が長いほど性能が低下することを指摘しました。
その後、12月21日にはAppleは電池が劣化したiPhoneの性能を意図的に低下させていることを認めるコメントを正式に発表しました。
しかし、米国では、意図的に性能が落とされていたことに対して消費者の不満は収まらず、ついには賠償を求めて集団訴訟にまで発展しました。
そのためAppleは、「iPhoneのバッテリーと性能に関してお客様へのメッセージ」で謝罪するとともに、バッテリーの交換費用を値下げすることを発表しました。
なお、Appleは謝罪文の冒頭で、iPhoneの買い替えを促進するためにバッテリー寿命を意図的に短くした訳ではないと説明し、あくまでユーザーのために行った制御だとしています。
また、Appleは、ユーザーに対する情報提供が足りなかったとも謝罪しています。そのため、2018年の早い段階でiPhoneのバッテリー状態を正確に確認できる機能を、iOSアップデートによって追加するようです。
バッテリー交換費用を50ドル値下げ
さらにAppleは対応として、iPhone 6以降の機種について、2018年1月後半から12月までの期間、バッテリー交換の費用を50ドル値下げすると発表しました。通常、AppleCare+に加入していない、保証対象外のiPhoneのバッテリー交換費用は79ドル(税別8,800円)です。しかしこの値下げによって、期間中は29ドル(3,800円程度)でバッテリー交換が可能となるようです。
日本円にして5,000円ほどの値下げになるので、わざわざ買い換える必要がなく、使い続けたいiPhoneがある場合は、2018年1月後半から12月までにバッテリー交換を申し込むといいかもしれません。
[Source:Bloomberg] (yorimorishima)