長らく在庫不足が懸念されていた「iPhone X 」ですが、現在は供給が安定しており、オンラインストアでの納期が今では1〜2週間に短縮されています。
この納期短縮の原因として、米メディアのAppleInsiderは、Appleが生産ボトルネックを解決したからではないかと指摘していました。しかし一方で一部の人々からは、「iPhone X 」の人気が下がったことによって「iPhone X 」の需要が減少したからではないかという意見もみられました。
そんな中、KGI証券のアナリストMing-Chi Kuo氏は、「iPhone X 」の納期が短縮した原因は、やはり部品供給が改善されて、生産が安定したからであって、需要減少ではないと最新のレポートで伝えています。
生産に関する二つのボトルネックが大きく改善か
Ming-Chi Kuo氏はレポートの中で、「iPhone X」の生産において、二つの主要なボトルネックが大きく改善されたため、供給が安定したと指摘しています。
一つ目のボトルネックは、村田製作所がLTEアンテナモジュールを計画通りに納品することが出来なくなっていたことです。この問題は、別のサプライヤーであるCareerが、遅れを補ったようです。
もう一つのボトルネックは、LG Innotekとシャープが制作する、TrueDepthカメラ内にあるポイント投影モジュールの良品率でしたが、これも改善したようです。
さらにMing-Chi Kuo氏はレポート内で、これらの問題改善に関して具体的な数字を以下のように示しています。
・CareerのLCP LTEアンテナの出荷個数が11月〜12月において100%成長する可能性が高い。
・LG Innotekとシャープによって製造されているTrueDepthカメラのポイント投影機モジュールの良品率は、1〜2ヶ月前では60%以上だったが、今では90%以上に改善されている。
・ ホンハイの「iPhone X」の1日の出荷台数は45〜55万台で、2ヶ月前の5〜15万台を上回っている。
なお、ホンハイの出荷台数が向上した原因として、Ming-Chi Kuo氏は「iPhone X」の組立を請け負うFoxconnの生産キャパシティが伸びたことを指摘しています。
10月〜12月の出荷台数は予測値よりも10〜20%向上?
生産台数が増えたことによって、Ming-Chi Kuo氏は、2017年第四四半期(10月〜12月)の「iPhone X」出荷台数は今までの予測よりも10〜20%多くなる可能性があるとしています。
また、多くの「iPhone X」が年内までに発送することが可能となったため、2018年第一四半期(1月〜3月)の出荷台数は2017年第四四半期と同じか、あるいは少し下がるだろうとも予測しています。
[Source:MacRumors](yorimorishima)