「iPhone X」に搭載されている有機EL(OLED)ディスプレイによって、「iPhone X」は歴代iPhoneの中でも特に色彩豊かで繊細な表現が可能となりました。
しかしAppleは有機ELディスプレイに留まらず、次世代のディスプレイとされるmicro-LEDディスプレイを今後採用するのではないかとも以前から伝えられていました。
そんな中DigiTimesは、既にAppleが台湾のサプライヤーであるTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)と協力して、micro-LEDディスプレイの量産に関する作業を行っていると伝えています。
TSMCと共同で量産を目指すApple
AppleはTSMCと協力して、LEDチップの量産に関する問題解決を目指し、シリコンウェハーのアプリケーション開発を行っているとみられます。
そもそも、Appleがmicro-LEDディスプレイの開発に取り組んでいることを初めて報じられたのは2015年です。それ以来Appleは、台湾・台北の桃園に研究所を作って、秘密裏に有機ELディスプレイ(OLED)やmicro-LEDディスプレイの開発を進めていました。
そしてDigiTimesによると、最近Appleは、台北の桃園にあるmicro-LEDの研究開発チーム(R&D)の規模を縮小したようです。
研究開発チームの規模を縮小したのは、micro-LEDの研究に問題が生じており、プロジェクトの再調整が必要だったからと考えることもできます。
しかし、そうではなく、規模を縮小したのは、Appleがmicro-LEDの研究をほぼ完成させからであって、これ以降はmicro-LEDの研究を台湾ではなく、TSMCと共にアメリカで行うのではないかと伝えられています。
さらに性能が向上!micro-LEDディスプレイとは?
Appleが開発を進めているmicro-LEDディスプレイは、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイと比べてもかなり性能が向上するようです。micro-LEDディスプレイでは、それぞれのピクセルに微細なLEDを高い密度で敷き詰めることによって、LEDによる素子そのものを発光させています。
これにより、ディスプレイ上の、色の再現度やコントラスト比、視野角、反応時間の速さを向上することができ、画質が良くなります。また、有機ELディスプレイと比べて、更に薄く、明るく、消費電力が少なく、寿命が長持ちします。あらゆる点で性能の向上が見られるため、まさに次世代のディスプレイといえます。
micro-LEDディスプレイが量産に成功できれば、性能の良さと価格のお手頃さから、今後Appleデバイスのディスプレイが全面的にmicro-LEDにシフトする可能性は高いです。
有機ELディスプレイの最大手である韓国のSamsungは、唯一iPhone用のディスプレイ製造工場をもっているため、AppleはこれまでSamsungに頼るしかありませんでした。しかしAppleがmicro-LEDディスプレイ技術の開発と量産に成功すれば、ライバルであるSamsungに依存をする必要がなくなり、Appleにとっては大きな利点となりそうです。