今年2017年はiPhone誕生10周年を記念したプレミアムモデル「iPhone8」と現行バージョンアップモデル「iPhone7s」「iPhone7s Plus」の3モデル展開となるといわれています。
その3機種に搭載されるNAND型フラッシュメモリの供給に不安があるため、現在AppleはSamsungに供給要請をしている模様です。
歩留まりの低さから供給が不足
iPhoneシリーズでは現行モデルである「iPhone7」から「3D NANDフラッシュ」が搭載されています。
NANDとはMacでいうSSDであり、iPhoneのストレージ部分に当たります。
3D NANDとはメモリーセルを複数層に重ねることで製造され、同じ物理的スペースでもより大容量のデータを取り扱うことが可能です。とはいえ、層が増えれば技術的難易度も増します。
そして、そのNANDの供給はこれまで東芝とSK Hynixが担当していました。
しかしDigiTimesが業界関係者から得た情報によると、東芝とSK Hynixの両社は「3D NANDフラッシュ」の低い歩留まり率に苦戦しているとのこと。
そのため、このままだと、次期「iPhone8」「iPhone 7s」「iPhone 7s Plus」向けの「3D NANDフラッシュ」の供給量は必要な数よりも最大で30%不足する可能性があるといわれています。
AppleがSamsungに供給要請
DigiTimesによると、Appleはこうした状況を受けて「3D NANDフラッシュ」の生産技術を有し、歩留まりも比較的安定しているSamsungに供給を求めた模様です。
東芝やSK Hynixなど主要メーカーの歩留まり率の低さが影響し「3D NANDフラッシュ」の供給量は現在世界的に不足しており、この状態は2017年末まで続くと、業界関係者は予測しています。
現在、Samsung、東芝、そして工場汚染が報じられたMicron Technologyは、「64層3D NAND」技術への移行を進めていますが、SK Hynixは一足先に「72層3D NAND」へと移行し、すでに量産を開始したとも報じられています。
ちなみに、「iPhone7」シリーズには48層のNANDフラッシュが使用されており、次期「iPhone8」には64層のNANDフラッシュが使用される見込みです。
SK Hynixが量産を開始したとする、72層のNANDフラッシュは次期「iPhone8」に搭載されるかは不明ですが、「iPhone7」シリーズの48層と比較して動作速後が2倍、書き込み/読み出し性能は20%向上するとのこと。
Source:DigiTimes
(yorimorishima)