今年秋以降に発売が見込まれている次期「iPhone8」は、これまでのiPhoneシリーズでディスプレイ下部に配置されていたTouch ID指紋認証センサーを廃止し、ディスプレイ内に埋め込む噂やSamsungのGalaxyシリーズのように背面に配置するという予測が交わされてきました。
しかし、今回著名アナリストによって公開された新たなレポートによれば、Touch IDそのものが搭載されない可能性もあるとのことです。
さらに、フロントパネル上部の3Dセンサーを活用して高精度の顔認証や虹彩認証が採用されるとの見方もあります。
いずれにせよ、使い勝手・デザインともにこれまでのiPhoneとは大きく変わりそうです。
技術的な問題を解決できなかった?
Touch IDそのものが搭載されないというレポートを発表したのは、お馴染みのKGI証券のMing-Chi Kuo(ミンチークオ)氏です。
Ming-Chi Kuo氏はApple製品情報に精通していて、これまでも製造時期が遅れることやディスプレイが5.15インチになることなど数多く非常に正確な予測レポートを発表してきました。
今回発表されたレポート内では、Touch IDそのものの搭載が見送られる理由について一つには、ベゼルレスフルスクリーンのデザインにおいて現行の静電容量式センサーでは指紋を認識できないということ、二つ目にはディスプレイ内に指紋認証技術を埋め込むにはいまだ課題が山積みであることが指摘されています。
Ming-Chi Kuo氏は技術的な課題として、有機ELディスプレイパネルにおける従来のLCDディスプレイより複雑なピクセル設計やスキャン技術を挙げています。
有機ELディスプレイはLCDディスプレイより薄いにもかかわらずパネルモジュールが原因でスキャンの成功率が低いようですね。
少々がっかりなニュースですが、嬉しい知らせも。
Touch IDそのものの搭載が見送られることにより以前から指摘されてきた製造時期が10〜11月にずれ込むことも解消されるとコメントしています。
Touch IDの代わりに顔認証搭載?
さらに、Ming-Chi Kuo氏はTouch IDの代わりに3Dセンサーによる顔認証など全く新しい生体認証技術が採用されると予測しています。
SamsungのGalaxy S8に搭載されている顔認証技術は写真で突破できてしまうというセキュリティのゆるさがありましたが、iPhoneに搭載される3Dセンサーを用いた顔認証技術はそれより精度の高いものとなるとのこと。
たしかにApple Payなどセキュリティが重要なサービスも多いため、Touch IDに代わる手軽で精度の高いセキュリティが期待されます。
精度の高い顔認証&虹彩認証
アメリカの大手メディアBloombergはiPhone事情に詳しい関係者から得た情報として、AppleはiPhoneのロック解除はApple Payの支払いに使用する際のセキュリティレベルの高い顔認識技術をテスト中であると報じました。
SamsungのGalaxy S8のように写真でセキュリティ突破されないように3Dセンサーを用いた顔認証と虹彩認証を組み合わせることで精度の高い認証を実現しようとしているとのこと。
iPhoneの顔認識技術はわずか数百ミリ秒という短い時間で認証可能となっており、iPhone本体にそれほど顔を近づけずにテーブルに置いたままの距離でユーザーの顔を認識できるようです。
商標登録や専用チップ開発が根拠?
次期「iPhone8」に3Dセンサーを用いた精度の高い顔認識技術や虹彩認証技術が搭載されるのではないか、という予測も、Touch ID廃止の情報と同様すでに今年2月ごろMing-Chi Kuo氏が発表していました。
また、Appleは昨年2016年9月には虹彩認証に関係すると考えられている「Iris Engine」の国際商標登録を取得しており、その同時期にもサプライヤーであるXintecがiPhone向けの虹彩認証チップの製造準備をスタートしたという情報も報じられました。
さらに、今年5月にはAppleが「Apple Neural Engine」という人工知能(AI)専用チップの開発に取り組んでいると報じられており、これは、人工知能チップに画像認識などの処理を任せることでバッテリー消費量を削減する効果が期待されています。
とはいえ、こうした新技術やテーブルに置いたままでも数百ミリ秒の顔認識技術が最初から新型「iPhone8」のリリースと同時に利用できるかは不明です。
はたして顔認識は指紋認証に代わる新たな生体認証技術として定着するのでしょうか。
なお、そのほかのMing-Chi Kuo氏による次期iPhoneの予測まとめは以下のとおりです。
次期iPhoneは3種類で、「iPhone8」と呼ばれている有機ELディスプレイを搭載したモデルは、ボディに対するスクリーンの比率が世界で最も高いフルスクリーンデザインを採用し、ディスプレイは使用領域の定義によって5.2〜5.8インチになるとのこと。
「iPhone7s」「iPhone7s Plus」といった従来のアップデートモデルのディスプレイは4.7インチ・5.5インチとそれほど大きなデザイン変更はないようです。
「iPhone8」に搭載予定の3Dセンサーは顔認証を可能とするだけでなく、被写界深度を画像データに加えることでより立体的な撮影ができ、自撮の品質も向上させるようです。さらにスピーカーの音質も向上するとのこと。
以前はすべてのモデルが3GBのRAMを搭載すると噂されていましたが、最新の情報では「iPhone8」と「iPhone7s Plus」には3GBのRAMが搭載され、カメラレンズが一つしかないことを理由に「iPhone7s」には2GBのRAMが搭載されるとのこと。
3モデルすべて共通でストレージ容量は64GB・256GBが用意されるようです。さらに、どのモデルにもライトニング端子が搭載されていますが、同時にUSB-Cパワーデリバリーチップを搭載しているため、アダプタの使用によって急速充電が利用可能な仕様となると予測されています。
「iPhone8」はプレミアムモデルのイメージを維持するため、「iPhone7s」より少ないカラーバリエーションで展開されると考えられています。先日は強化ガラスのカラフルな画像がリークされたと報じられていましたがフェイク情報だったのかもしれません。
発表まで近づくにつれて期待が高まりますね!