Nikkei Asian Reviewが業界に詳しい関係者から得た情報として、Appleは2018年に発売予定の新型iPhoneすべてのモデルに有機EL(OLED)ディスプレイを搭載すると報じています。
なお、有機ELディスプレイは現在Samsungの独占状態にあって、競合他社の本格生産体制が取れるのは2019年以降と考えられています。
2018年はOLED搭載iPhoneが3モデル展開でリリースか
初代iPhoneが発表されてから10周年となる今年2017年は、iPhone初のプレミアムモデルとなる「iPhone8」と現行モデルの性能アップデート版である「iPhone7s」「iPhone7s Plus」の合計3モデルが発売されるといわれています。
そのうち有機ELディスプレイが搭載されるのは「iPhone8」のみで、残りの「iPhone7s」「iPhone7s Plus」は従来モデル同様に液晶ディスプレイが搭載されると予測されています。
しかし、今後は有機ELディスプレイがスタンダードとなるかもしれません。
Nikkei Asian Reviewが伝えた内容によれば、Appleはすでに来年2018年に発売する3モデルのiPhoneの設計をスタートさせており、そのすべてのモデルに有機ELディスプレイが搭載される可能性があるとのこと。
とはいえ、こうしたiPhoneの計画は発売が近づくにつれて変更されることもしばしばあります。ただ、Appleが有機ELディスプレイをこれからのiPhoneのスタンダードなディスプレイにしていこうと考えていることは明らかですね。
なお、今年5月に韓国メディアのコリアヘラルドが報じた内容では、2018年に発売予定のiPhoneは5.28インチと6.46インチの有機ELディスプレイを搭載予定で、Samsungがおよそ1億8,000万台の有機ELディスプレイを供給すると伝えられていました。
さらに、今年発売の「iPhone7s」や「iPhone7s Plus」は2019年まで発売が継続されると見込まれています。おそらくこれは、現在も2015年発売の「iPhone6s」「iPhone6s Plus」が販売されているようにエントリーモデル的位置付けで価格を引き下げて継続販売することを示していると思われます。
2018年も有機EL(OLED)ディスプレイはSamsungが独占供給か
現在、有機ELディスプレイはSamsungの独占状態にあるため、2017年秋にリリースが予定されている「iPhone8」用の有機ELディスプレイもSamsungによって独占供給されると見られています。
Samsungの有機ELディスプレイ独占状態は競合各社にも影響を及ぼしており、各社はSamsungに対して3年遅れた状態にあるともいわれるほどです。
先日はAppleがLG Displayにおよそ3,000億円を投資し、Apple専用の有機ELディスプレイ製造ラインを建設させる計画が報じられましたが、この計画の本格生産がスタートするのは2019年前半と考えられていて、来年のiPhoneにはおそらく間に合わないでしょう。
今年発売予定の「iPhone7s」「iPhone7s Plus」は2019年にまで販売が続くとされていましたが、LG Displayの有機ELディスプレイ工場の本格生産開始と一致しています。
Appleは2019年を目処に有機ELディスプレイへシフトすることを考えているのかもしれませんね。
他にも、iPhoneに向けて液晶ディスプレイを供給しているジャパンディスプレイ(JDI)やシャープも有機ELディスプレイの生産体制に向けて準備をしているものの、大量供給が可能になるにはあと2年ほどかかるといわれています。
上記のことからも、今後Appleの有機ELディスプレイ採用による利益は当面のあいだSamsungが独占する可能性が高いと思われます。
Source:Nikkei Asian Review
(yorimorishima)