LGの子会社であるLG Innotekが「iPhone8」用の3D顔認証を可能とするフロントデュアルカメラシステムの生産のために設備投資を行っていると韓国メディアが報じています。
iPhone8用3Dフロントカメラに約273億円の設備投資
次期「iPhone8」はフロントディスプレイ上部にデュアルカメラを搭載し、3D画像認識で精度の高い顔認証が可能になる、と以前から噂されてきましたが、その噂が現実味を帯びてきています。
既にLG Innotekは現行モデルの「iPhone7 Plus」のデュアルレンズカメラのモジュールを提供していますが、今回新たに「iPhone8」用の3D顔認識カメラシステムのモジュールを開発するために2,697億ウォン(約273億円)の設備投資を行い工場建設の計画があると現地時間4月27日に発表されました。
これはAppleからの発注に対応するためにつくられる予定で、当初の投資額は約2,000億ウォン(約202億円)になると韓国メディアKorea Economic Dailyが伝えています。
Appleは2013年頃から顔認証システムへ関心があった?
Appleは数年前から3D顔認識技術に強い関心を示していると噂されていました。
2013年には、Kinectのセンサーを作ったイスラエルの3Dセンサー開発企業「Prime Sense」や顔認証技術を保有するイスラエルの企業「Real Face」を買収しています。
それらの買収した企業の技術を取り入れ、研究開発を進めていると見られているほか、顔認証により端末のロックを解除する技術の特許も取得していることがわかっています。
新型フロントカメラには顔認証だけじゃなく様々な機能が
これまでも情報メディアBusiness Insiderは2016年11月にAppleがiPhoneのカメラアプリにAR(拡張現実)機能の追加を検討していると伝えていましたし、KGI証券のMing-Chi Kuo氏は次期「iPhone8」では3Dセンシングや顔認識に対応し、内向きのFaceTimeカメラは劇的に進化を遂げると伝えていました。
Samsungが発表した新型スマートフォン「Galaxy S8」シリーズにも顔認識機能は搭載されていますが、素早いスピードで顔を識別して認証できる一方でセキュリティ面では優れているとはいえず、登録した人物の写真でも顔認証できてしまうことが確認されています。
このセキュリティの甘さは、「Galaxy S8」シリーズが2D技術を使用していることに起因しており、現在AppleがLG Innotekと共同で開発している3D顔認識技術では2D技術よりも精度が高くなると考えられます。
先日リークされた図面をもとにつくられたモックアップの画像にもフロントのデュアルレンズカメラが確認でき、当初これらは3Dセンサー用に存在していると考えられていました。
しかし、iPhone情報に詳しいMacお宝鑑定団Blogによると「3D顔認証のためだけにデュアルレンズカメラを搭載する可能性は低く、現在の32mm相当カメラの他に、iSight(外向き)カメラ側と同じ28mm〜24mm相当の広角レンズを搭載している可能性がある」とのこと。
フロントカメラに関する情報もまだまだ諸説あり、実際にどうなるか明らかになってはいませんが、今回の情報はこれまでの噂と一致している部分も多く、3Dセンサーの搭載が実現する可能性は高いのではないでしょうか。
ただ、一方で、3Dセンサーをディスプレイに埋め込む技術上の問題により、iPhone8の出荷が遅れるのではないか、という予測も出ています。
Source:9to5Mac , MacRumors ,Macお宝鑑定団Blog
(yorimorishima)