今年発売予定の次期「iPhone8」には以前からワイヤレス充電機能が採用されると噂されてきており、実際に最近のリーク情報でもワイヤレス充電対応を裏付けるような図面もありました。
そんな中、AppleがWi-Fiルーターを利用したワイヤレス充電システムの特許を出願していたことが明らかになりました。
Wi-Fiの電波を充電に活用?
米国特許商標庁(USPTO)がアメリカ現地時間4月27日に公開した資料の中に、「二重周波数の平面アンテナを用いたワイヤレス充電と通信システム」と題された、Appleが出願した特許が含まれていました。
この特許は2015年10月に申請されており、Wi-Fiの電波を通信と充電の両方に使うための技術についてのものです。
特許内では携帯電話の通信に使われる700MHzから2,700MHz、Wi-Fi通信の2.4GHzや5GHz、さらにはWiGigと呼ばれる短距離高速通信規格用の60GHzまで、様々な周波数帯を用いたワイヤレス充電の技術について説明されています。
ビームフォーミング技術を活用し効果的な通信と充電が可能に
特許申請書類によれば、ワイヤレス充電と通信を行う機器は平面アンテナが内蔵されており、Wi-Fiルーターにあたる給電側とiPhoneなど受診デバイス側のアンテナをペアリングして、アンテナの志向性を変更してさらに効率的な通信と給電が可能となるビームフォーミング技術の活用が想定されているとのこと。
ビームフォーミング技術とは簡単にいえば、一般的には機器のアンテナから出る電波はどの方向にも飛んでいきますが、この電波を細かく絞って特定の方向に向けて集中的に発射する技術のことで、より遠くまで強い電波を受信側まで届けることができます。
iPhone8に搭載されると噂のワイヤレス充電は?
Appleの特許情報に詳しいアメリカ大手メディアPatently Appleによれば、Appleはこれまでにワイヤレス充電に関する特許を4つ申請しており、今回が5つ目の特許申請となるとのこと。
そして、今年発売の次期「iPhone8」には以前からワイヤレス充電対応の噂がささやかれており、これまでAppleは、遠距離ワイヤレス充電のEnergous社の「WattUp」や、独自のインダクティブ充電技術、今年2月に業界団体に加盟したことで有力となった「Qi」規格など様々なワイヤレス充電方式を検討しているようです。
今回のような遠距離からでも充電できるワイヤレス充電に対応してくれれば、充電に左右されない革新的で快適な生活がスタートしそうですね。
Source:Patently Apple, AppleInsider
(yorimorishima)