2017年秋に発売が見込まれている次期「iPhone8」についてこれまで、物理的なホームボタンが廃止されてディスプレイ内にTouchIDが埋め込まれ、指紋認証以外にも顔認証や虹彩認証など他の生体認証システムが採用されると噂されてきました。
しかしアメリカ現地時間2月23日に公開されたAppleの特許からは顔認証でも虹彩認証でもない全く新しい生体認証システムの可能性が浮上しました。
音響波による認証技術
今回公開されたAppleの特許出願書類は「音響映像システム・アーキテクチャ」と題されています。その特許では、従来のTouch IDのような指紋認証センサーを音響変換器に置き換える案が提示されています。
音響変換器で一体どのように生体認証を行うのでしょうか。
特許の内容を簡単に説明すると、ディスプレイ下部に設置された音響変換器がiPhoneのカバーガラスなどを透過する音響波を発生させます。
そして、音響変換器がディスプレイの表面に指などが触れたときに生じる音響波への反射・減衰・回析をモニターします。特許出願書類によると、指紋の凹凸によって音響波は異なり、識別として利用できるようです。
上記のように集められたデータは電気信号の形で伝えられ、内蔵された画像解析器が信号をもとに2次元マップを生成。生成されたマップがデータベースと照合されてユーザーの生体認証につかわれます。
指紋だけじゃなく耳や手のひらも認証可能?
今回紹介した音響変換器を用いたシステムは触れて認証する範囲や場所を自由に変えられるという点が特徴です。
ベゼル縁ギリギリのところにも設置できるので、噂通りAppleがホームボタンを廃止しディスプレイ内に認証システムを埋め込む姿勢をとっているならばいずれ採用されるかもしれません。
さらに、ディスプレイ全体を使って手のひらすべてを認証するなんてことも可能になります。そのほか、耳や他の部位の皮膚など指紋以外の身体の一部を認証に用いることもできるためセキュリティレベルが向上するでしょう。
なお、これまでのTouch IDに代わる認証システムの噂としては、KGI証券のMing-Chi Kuo氏がフロントカメラを用いた3D画像認識システムを予測しているほか、JPMorganのRod Hall氏が3Dレーザースキャナーによる立体的な顔認証の登場を予測しています。
次期「iPhone8」には一体どんな生体認証システムが採用されるのでしょうか。
Source:AppleInsider
(yori)